犬を飼う前に・・・

犬に限らず、動物を飼うというのは多くの時間とお金が必要です。
しかし、犬や動物は、それ以上に私達に素晴らしいものを与えてくれます。
犬と心を通いあわせ、素晴らしいパートナーとなれるかどうかは、飼い主次第です。

現在、犬の平均寿命は人間と同様に医療の発達で延びてきています(15年~20年くらい(小型犬ほど長命))。
飼いはじめる前には、長い付き合いになるということを、よく考えてください。

ここでは、犬を飼う前に飼主の心構えということで以下の3点についてまとめてみました。

必要な時間・費用

お散歩の時間

全犬種(小型~大型犬)で最低でも毎日、朝晩1時間ずつ合計2時間のお散歩は必要です。この散歩の時間が短くなるとストレスや経験不足等から問題行動が多くなります。問題行動の事前予防には、特別なしつけではなく、お散歩が一番です。

当然のことながらお散歩を朝晩するので、仕事の残業や犬を置いての旅行には、行く事が出来ません。自分の代わりに、お散歩や周りの世話をしてくれる家族や、ご近所の方等がいない場合は、ペットシッターやペットホテル等も事前に調べておきましょう。

Q.チワワ(小型犬)でもお散歩が必要?→ A.もちろん必要です!

犬を飼う事は、お散歩やジョギングを趣味にする事と同じです。
お散歩させたくないから小型犬を飼う、等といわれている方もいるようですが・・・

犬のお散歩は、肉体的な発散はもちろん精神的な健康を保つ上でも必要不可欠です。(人間も同じですよね)外のお散歩が少ない仔はその後にストレス等で吠えたり破壊したりと、問題行動とも同居して行く事が多くなります。その様な方は、犬ではなく、お散歩の必要がないペットを飼うことです。

かかる費用

【犬の購入料金】

(ペットショップ・ブリーダー・動物愛護センター・各シェルター(飼主に捨てられた犬達をボランティアで預かってくれる施設)等から)

【継続費用】

ドッグフード、おやつ、ペットシーツ、シャンプーやカット等の美容費、予防接種、怪我や病気の治療費、ペットホテル代

【単発費用】

食器、柵、ハウス、首輪、リード、ブラシ、おもちゃ、役所への登録、鑑札代

その他、家具や建具の買い替え
絨毯をクッションフロア(フローリング調の切る事が可能なマット)に変える
引き出しや扉付きの家具に変える

【節約術】

シャンプーは、美容室に行かなくても自分でやればかなりの節約になります。
その為には、犬自身が暴れないようにしつけトレーニングする事とスムーズにシャンプーが行える飼主自身のハンドリング(お勉強)が必要ですね。

ドッグフードは、安いものから高いものまで様々な物が売り出されています。寿命が延びてきたのでこだわりのフードを選ぶ方も多くなってきています。ドッグフードの成分は、人間の食べ物のように基準がハッキリしていないので購入の際には十分注意しましょう。

【その他】

コミュニケーションを広げるためや問題行動の予防、周りの人に迷惑を掛けないために「しつけ教室」に通う予算も必要です。
その他、不慮の事故や病気のための予算にも余裕をもたせておきましょう。

予算が足りない方…

予算に自身が無い場合は、残念ですが購入を見送りましょう。ご近所の犬やボランティア(捨て犬の保護)で預かっている方にお散歩をさせてもらえるように申し出れば相手の方も喜ぶと思います。

しっかりとした考えで犬を飼い始める事により不幸な犬が1頭でも減る事を願っています。

犬を手に入れる方法

ペットショップ

様々な犬種がいるペットショップは、行くだけで楽しくなりますね。家族でどの犬種にするかを実際にショップに行って話し合うのも一つの方法です。ペットショップの管理や販売員のレベルはピンからキリまであります。安易に契約をせずに慎重に決めましょう。幾つかのショップを回って販売員と話をしてみましょう。

ブリーダー

犬を育て、管理しているところで直接、犬を購入する事も出来ます。その様な方をブリーダーと呼びます。間にお店が入るのと違いペットショップより比較的安価で犬を手に入れる事が出来ます。大体のブリーダーは、数種類の犬しか育てていませんので、「この犬種!」と決まっている場合にはブリーダーを回ってみましょう。

ブリーダーのレベルもそれぞれです。ずっと、狭い部屋に閉じ込めておく犬生産工場のような所もあるそうです。私の見に行ったブリーダーの中には押入れの中の引出し状の入れ物に犬を入れていたところもありました。その様な環境で育った犬は、肉体的にだけでなく精神的(しつけ)にも問題が出る可能性が高くなります。犬をしつける前にリハビリからスタートするような犬もいます・・・。

十分な経験や運動を与えているのかをきちんと聞きましょう。出来れば、犬舎(犬を管理していいる場所)や運動場を見学させて貰いましょう。接待室以外は、見学を拒んでいるような所は注意が必要です。

ご近所や知人の犬が生んだ子を貰う

よく電柱の貼り紙でも子犬の貰い手を募集しています。その他にもインターネットや、その種のイベントが各地で開催されていますので探してみるのもいいかもしれません。

身元の解らない犬や飼主から手放された犬を預かる施設・団体から犬を預かり受ける

東京都では、東京動物愛護相談センターで身元の解らない犬や飼主が飼えなくなった犬を一定期間預かり譲渡しています。その他にも、多くの民間団体が保護を行っています。

【譲渡】

譲渡には様々な条件があります。飼主の飼育環境のチェックやしつけ講習会への参加など。それらをクリアすれば晴れて飼主になる事が出来ます。東京都の譲渡事業では費用は一切掛かりません。

今回、実際に「東京都動物愛護相談センター」に取材に行ってきましたので、こちらの動物保護施設取材録(東京都)をご参照ください。

犬を購入する為の費用が掛からないので、その分の予算を犬を飼う為の環境作り(サークルや柵、家具等を買う)や旅行・しつけ教室に行く等に充てて、ドッグライフを楽しむといった方法も良いのではないでしょうか。

トレーニング開始の時期

Q.しつけトレーニング開始の時期はいつが良いのでしょうか?
生後6ヶ月から?引き取った日から?

A.しつけを開始するのは犬を飼う前からです!
(ちょっと意地悪な質問と回答だったかしら・・・ごめんなさい)

犬を迎える時期は、それぞれの飼主さんによって違うと思います。ペットショップによっては、45日(ちょっと早過ぎる気がします・・・)や56日譲渡事業で里親になられた方の場合は、正確な月齢はわからない場合が多いと思います。

1番目に大切な時期・・・犬にあった瞬間~初日
2番目に大切な時期・・・犬が来てから数日(1~3日位)
3番目に大切な時期・・・犬が来てから数週間(2~3週)

しつけ教室に行ったり、出張のインストラクター・トレーナーを呼ぶのは、犬が来てから何日目でしょうか?3日以内にできるでしょうか?大抵の飼主さんは犬が来てから1週間以上経過してからになってしまうことでしょう。この間に良い癖(しつけ)をつけていれば、悪い事を直すために多くの時間を費やす事もありません。

おトイレで排泄出来ない仔を所定の位置に出来るようにしつけるは大変です。最初から、正しい位置でしつけていれば悪い習慣を直すことすら必要ありませんよね!まず自分自身がどのようなやり方でしつけトレーニングするかをお勉強していなければなりませんね!ちょっとしたセッティングや心構えがあればしつけトレーニングはスムーズに進みます。本来、犬の飼主は犬を飼う前に「犬の基本的なしつけ」の方法を理解していなければなりません。(ここでの「基本的なしつけ」とは・・・「おすわり」「ふせ」等ではなく、部屋の中の環境整備、トイレやハウスのセッティング、退屈しないためのオモチャの作り方、家族や訪問者を歓迎する方法などです)

子犬の場合は生後3~4ヶ月までに覚えさせたい項目が沢山あります。
他人や他犬・音・動きなど様々なことを経験するトレーニングででその後の問題行動の予防につながります。基礎的なしつけトレーニング(「おすわり」「まて」など)も若ければ若いほど覚えが早くなります。犬の1歳は人間の17歳とよく言われます。17歳までに殆どお勉強させない事は人間の社会で言えば虐待です。なるべく早くしつけトレーニングの方法を覚え、愛犬に教えてあげてください。

犬を迎える前に近くの本屋でしつけの本を数冊買うのも良いと思います。本によって書いてある内容が若干違いますが、褒めて教えるしつけの本を買うことをお奨めします。その他、今の時代はインターネットでしつけについて調べるのも良いですね!真剣に取組みたいと思われる方も多いと思います。そのような方は、しつけ教室に通ったり、しつけインストラクターやトレーナーから直接指導を受けるのも良いと思います。犬を迎え入れる前に事前にお勉強しておく事が大切です。

しつけトレーニングを通して、犬とのコミュニケーションを広げ、楽しいドッグライフを送りましょう!!

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